ネタバレはあくまでも詳しくなりすぎず
流れを理解できるくらいの内容となっておりますので
詳細が知りたい方はいずれ出るDVDやBDを購入することをオススメします!
第26話 てんとう虫の木➁/てんとう虫の木③/想い
内容ネタバレ
<Chapter.52 てんとう虫の木➁>
事の次第はこういうものだった。
ひなたのクラスでいじめがあった。
4月に中3になってクラス替えがあり
名前順で分けられた班の中でそれは唐突に始まった。
いじめの標的となったのはちほちゃんと言い
ひなたとずっと同じクラスで仲良しだった女の子で
おっとりしていていつもニコニコやさしいすごく可愛い女の子だった。
3年になり受験を控え形のない不安に皆が支配されていく中
同じグループの子たちから疎外され始め
彼女が萎縮したことでますます疎んだ。
みんなはそのグループを怖がって遠巻きに様子を伺うばかりだったが
ひなたには勿論そんなことは出来ず
彼女が押し付けられた事を手伝ったりしていたが
事態は少しずつ悪化しちほちゃんは学校を休みがちになった。
先生もクラスメートも見てみぬフリをしたままだった。
そしてついに彼女はお父さんの単身赴任先の新潟に
お母さんと引っ越す事に決まったのだ。
ひなちゃんごめんねと泣きながらちほちゃんが学校を転校した後
その原因を作った女子たちはまるで悪びれることなく嘲笑っているのを見た
ひなたは黙っていられず食ってかかり
そして矛先はついに彼女にまわって来た。
帰って来たひなたはあかりの膝の上で
ちほちゃんに何もしてあげられなかったと泣きじゃくっていた。
そんな彼女の様子を見ていたモモが泣き出してしまったことで
居てもたってもいられなくなったひなたはちょっと走ってくると言い
外に出ていってしまい零はその後を追いかけることに。
橋のベンチでひなたは零になんでこんな事になっちゃったんだろうと
ひとりぼっちになるのこわいとその心情を吐き出していた。
しかしひなたはそれでも
後悔なんてしない、しちゃだめだ。
だって私のした事はぜったいまちがってなんかないと
涙を流しながらも力強く語る。
その時泣きじゃくりながらもそう言いきった彼女を見て
零はかみなりに撃たれたような気がしていた。
不思議だ、ひとはこんなにも時が過ぎた後で
全く違う方向から嵐の様に救われることがあると
幼い自分に手を差し伸べてくれたような思いを感じた零は
ひなたにありがとう、君はぼくの恩人だと告げる。
そして約束する、僕がついてる、
一生かかってでも僕は君に恩を返すよと
泣きじゃくる彼女にそう誓うのだった。
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<Chapter.53 てんとう虫の木③>
次の日学校から帰ると橋のそばのベンチに零が座っていた。
調べたいことがあるから図書館に連れていってほしいと頼まれ案内した。
図書館は小学校以来で児童コーナーの椅子を見た時
こんなに小さかったっけと思ったら
当時のちほちゃんとの事を思い出し涙が出た。
こんなのがあったよと零が持ってきてくれたのは
とても美しい和菓子の本たちだった。
おじいちゃんの店で見たことあるお菓子も載っており
すごくきれいな知らないお菓子もたくさん載っていた。
その傍らで植物図鑑と昆虫図鑑をじっと眺めていた零は
あの樹はナワシログミって名前だったんだ、
そして2ッ星テントウってずっと呼んでいたのは
ナミテントウって名だったのだと徐に呟く。
ひなたが零が見ていた図鑑を見ててんとう虫って”天道虫”って書くのなんでかなと呟くと
零はナワシログミの樹があるベンチがある場所まで彼女を連れていき
捕まえたてんとう虫をひなたの手へと移す。
手の甲に乗せられたてんとう虫の動きにくすぐったく感じつつ
てんとう虫は指先のほうへと移動し爪先から空へと飛んでいく。
飛んで行くテントウ虫を見送りながら
零ちゃんが話してくれた。
”天道虫”という名はむかしの人達が
この小さな可愛い生きものが
太陽に向かって飛ぶところを指してつけた名前なのだと。
ひなたはそんなテントウ虫が飛ぶ姿を見て思うところがあったのか
傍らに立つ零の袖を握りただ涙を流すのだった・・・。
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<Chapter.54 想い>
彼女が零の袖を握って泣いている間、零は体中が心臓になったみたいに
脈打って痛くてちぎれそうだった。
彼女を泣かせた人間を今すぐにでも全員探し出して八つ裂きにしてやりたいと思ったが
そんなんじゃ解決にはならない、彼女のために何ひとつならないと
どうしたらいいのか考え続けていた。
そうして家に戻ったらいつも通りのあかりとモモ、
ちゃぶ台いっぱいのあったかいご飯と真面目な顔をした相米二が待っていた。
相米二はひなたを目の前に座らせると
話は全部あかりから聞いたと話した上で
ひな、よくやった!と彼女が友達を助けようとしたことを褒めたたえた。
すげえ勇気だ!大人にだってめったに出来ることじゃねえ!
俺の自慢の孫だ、お前は何ひとつ間違っていないのだと。
その言葉を受け涙を流しながらひなたはあかりさんの作った
大好きなものばかり並べられた料理を食べ
零はそれをかみしめながら自分に出来ることを必死に探し続けるのだった・・・。
感想
最後の零の行動で一気にシリアスから引き戻された感が強いですが
とりあえずいじめの首謀者たちに対して思う事は
零と同じですね。
零がひなちゃんに対してまるで保護者のように思っているのはともかく
大半の人達は彼女をあんなにも泣かせた連中に
憤りを感じるのではないかと。
それにしても林田先生が言ったように
この問題には明確な答えが存在していないので
本当にこの手の問題は難しいなと改めて思います。
とりあえずいじめの主犯と担任の教師は100%間違っているとは思いますが
いじめの主犯は中学生ですしね・・・。
ちなみに担任の教師はどう考えてもさっさとやめた方がいいと思ってます。
それにしてもイジメに関して常々思っているんですが
これって厳罰化しないんですかね?
こういうイジメ問題って最悪命もかかってくるわけですから
いくら未成年とはいえもうちょっと厳しくした方がいいんじゃないかと。
まあ、それが難しいのはわからなくもないので
だからこそこの手の問題は厄介なんだろうなとも思いますけどね。
それはそれとしてひなちゃんのクラスの担任が
林田先生だったらどんなによかったかと考えてしまいます。
元担任とはいえ教え子からの相談にあんなにも真剣に向き合ってくれる教師なんて
今のご時勢天然記念物レベルだと思いますしね。
まさにあったらいいな、そうだったらいいなという
願望でしかないのは理解していますが
ひなちゃんの担任が悪すぎて相対的に林田先生の良さが際立ちます。
それにしてもひなちゃんのためになにかしたいと考えた結果が
あれなわけですから零は相変わらず残念な思考してますよね(苦笑)
零が言っている事は間違っているわけでは無いんですが
零の立場からああいう事を考えるのはやっぱり残念としか・・・。
まあ、それだけ零がひなちゃんたちを大事に思っているということですので
そういう意味ではなんかほんわかしてしまいますけどね。
実際に提案し始めたとしたら
林田先生の言う通りドン引きされるのは間違いないでしょうけど(苦笑)
ともあれあんな風に泣きじゃくるひなちゃんを見ているのは
結構心苦しいものがありますので
早いところ解決の糸口だけも見つかるといいなと。
それにしても相米二がひなちゃんに胸を張れ!っていったシーンよかった。
久しぶりに良い涙を流させてもらいました。
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