2024年8月8日発売の
別冊少年マガジン 9月号に連載されている
アルスラーン戦記 131話の
ネタバレ&感想になります。
第131章 二王墜死の塔(ターヤミーナイリ)
内容ネタバレ
アルスラーンとアンドラゴラス。
王の座を巡る戦いが始まろうとした瞬間
イノケンティスが姿を見せる。
イノケンティスは何者かに操られているのか
神よ・・・神よ・・・あなたの僕として
最後のつとめを果たしますと呟きながら
アンドラゴラスと共に塔の外へと身を投げ出す。
あまりの事態にアルスラーン達も
止めることは叶わず
王都中に地の底へと響くかのような
大きな落下音が鳴り響いていた。
ルシタニア人ということもあり
ジャスワントに警護され町にいたエステルは
その音が北の塔の方でしたことに気づく。
エステルは己の身を顧みず
ジャスワントの静止の声を振り切り
国王をお救いせねばならないのだ!と
急ぎ北の塔へと向かい馬を走らせ・・・。
塔から落ちたアンドラゴラスらを追い
急ぎ塔の外へと向かったアルスラーン達は
血塗れで重なるようにして倒れる
二人の王の姿を見て愕然していた。
そしてナルサスは呟く。
国王が・・・身罷られた・・・と。
ヒルメスが失脚し国王が身罷れた今
アルスラーンが国王の座に就くことは
明らかであり言葉にしないまでも
その事実に皆が震えていた。
しかし次の瞬間
亡くなったと思われていた
アンドラゴラスが立ち上がる。
ありえない事態にアルスラーン達が
戸惑いながらも警戒する中
アンドラゴラスはアルスラーンに向かって
一歩また一歩と近づきながら口を開く。
・・・弱き・・・王は・・・国を滅ぼす
ゆえに・・・強くなければ・・・王にあらず・・・。
王たる者は一国を背負わねばならぬ・・・。
「天空に太陽はふたつなく——」
「地上に国王は」「ただひとり」だと。
そんなアンドラゴラスに対し
アルスラーンは真っ向から反論する。
己れ一人が全てを背負っていると思うのは
あまりにも傲慢ではありませんか。
パルスにはこんなにも国民を想い
心をもった忠臣がおりますのに
なぜ 話を聞いてくださらないのですか!
なぜ 独善を貫くのですか!
なぜ もう少しタハミーネ王妃に
寄り添ってあげられなかったのですか!と。
アンドラゴラスがアルスラーンの言葉に
ハッとした表情を浮かべる中
タハミーネが姿を見せる。
タハミーネはアルスラーンに
声をかけることなく
アンドラゴラスの前へ。
アンドラゴラスはここは危険だとして
幕舎にひかえておれと声をかけるが
タハミーネはそんなアンドラゴラスを抱きしめる。
そして手に持った懐剣を
アンドラゴラスへと突き刺し
アンドラゴラスはそんな彼女を最後に
抱きしめるようにして息を引き取るのだった。
国王であるアンドラゴラスの命を
その王妃であるタハミーネが奪う。
そんな壮絶な光景を前にアルスラーン達は
ただ見ている事しか出来ずにいた。
タハミーネは伴った兵士や侍女に告げる。
パルス王国第十八代国主
アンドラゴラス三世はイノケンティス王とともに
塔から落ちて死にました。よいですね?と。
兵士達は言葉を噤む事しか出来ず
ただその命令を受け入れ
タハミーネは自嘲するように笑みを浮かべる。
なんという悲劇?
いえ・・・これは喜劇なのかしら?と。
そんな矢先、国王を救う為に来た
エステルが姿を見せる。
エステルはイノケンティスの無残な姿を見て
間にあわなかったと涙を流すが
アルフリードは思い出したかのように
エステルに声をかける。
急ぎな!あんたを待ってる人たちがいるだろ!?
あんたが守らなきゃならない人たちが
いるんじゃないのかい!!?
その言葉を受けエステルは
自分が何をすべきなのか思い出し
急ぎ馬を走らせる。
ジャスワントがそんな彼女を
慌てた様子で追いかける中
タハミーネはぼそっと呟く。
私の娘・・・生きていれば
あれくらいなのでしょうねと。
急ぎ守るべき人たちの元へ
馬を走らせるエステルだが
今の王都でルシタニア人が
自由に動けるはずもなく囲まれてしまうことに。
ルシタニア人に対して
恨みをぶつけようとする民衆は
エステルに対しても同様であり
吊るし上げようと武器を向けるが
そこへ王太子旗を持った
ファランギースが姿を見せ告げる。
皆しずまれ!道を空けよ!
この者たちはアルスラーン殿下の遣いである!と。
王太子旗を見た民衆は動きを止め
ファランギースは旗をエステルに渡す。
「ルシタニア騎士の務めをはたせ」
王太子殿下からの伝言だと。
アルスラーンの好意を受け入れ
エステルは王太子旗を手に皆の元へ急ぐ。
しかし皆がいるはずの民家に
足を踏み入れたエステルが目にしたのは
荒らされ血の跡が残る光景だった。
それを見たエステルは
また私は何もできなかったと泣き崩れるが
そこへアルスラーンの友人である
少年達が姿を見せる。
彼らはエステルが少年兵に扮して
アルスラーンを人質に取った際に
その原因となった少年たちだった。
彼らはギランでアルスラーンから
ここにいたルシタニアの病人や女、子供を
助けてくれと頼まれていたらしく
エステルを伴いある建物へと向かう。
その建物は使っていない物置らしく
厳重に封鎖された建物の中には
エステルが心から会いたかった者達の姿が。
エステルは神に感謝しつつ涙を流して喜ぶが
同時に皆にあることを知らせなければならなかった。
国王様が神のもとへ旅立たれたことを・・・。
アンドラゴラスがイノケンティスと共に
命を落とした事は瞬く間に
王城にいる者達に知れ渡った。
クバードとイスファーンも同様であり
・・・ということはアルスラーン殿下が・・・
われらの国王に・・・と呟いた瞬間
その背後にギーヴによって射殺されたはずの
シャプールの姿が!?
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
なんとも壮絶な展開でしたが
とりあえずアンドラゴラスも亡くなった事で
アルスラーンが国王になる障害は
全て無くなったと思っていいのかも。
ヒルメスはまだ存命ですが
アルスラーンとの一騎討ちに負けた以上
表立って王位を争うというのは
流石にないと思いますし。
ただ最後に亡くなったはずのシャプールが
どういうわけか姿を見せたことで
何かしら厄介なことになりそうな感じ。
恐らくイノケンティスと同様に
魔導士が関わっていると思いますが
彼らがどう動くのか次第で
まだまだ混乱は続くことになるのかも。
それに一度は退けた蛇王も
王都に向かっているような描写が
以前ありましたので
最悪王都に現れるという展開もある可能性も。
という感じでまだまだ火種が残っていそうですので
中々厄介なことになりそうな感じ。
というよりも魔導士が関わってくると
ありえないことも起こるので
一体どうなるのか今後が楽しみです。
それはそれとしてアンドラゴラスと
タハミーネの関係は中々に複雑・・・。
結局タハミーネの娘については
イマイチ生きているのかどうかも
定かではありませんし
今後明らかになるかどうかについては
なんとも言えないところ。
作中で言っていたようにエステルが本当に
タハミーネの娘だったら・・・
みたいな展開もあるのかもしれませんが
確証もありませんし
最後まで明らかになることはないのかも。