2024年12月12日発売の
週刊ヤングジャンプ 2025年2号に掲載されている
キングダム 第820話の
ネタバレ&感想になります。
第820話 騰の話
内容ネタバレ
寧姫・・・どうか新鄭を
無血開城して頂きたいのです。
韓の民をお救い下さい 寧姫
英呈平原での極秘会談にて
騰からそう告げられた寧公主。
その言葉に対し寧公主は
和平会談と思ってやって来た私が
バカでしたと告げる。
騰将軍は国が滅ぶことを
統治権が代わるとか双方の理想郷へなどと
随分と簡単なことのようにおっしゃる。
でも実際はそうではありません。
これまで民たちが根づいて生活してきた
全ての歴史がそこで終わってしまうのです。
韓人ではなくなりその魂は失われてしまうのです。
そうさせないために今 男たちは必死に
戦っているのではありませんか。
新鄭は無血開城なんて致しません。
韓は降伏など絶対に致しません。
最後まで徹底抗戦します!と。
その言葉に韓兵達は歓声を上げ
寧公主は停戦が望めぬならば帰りますと
騰に確認を取るが騰は最後に一つだけ
お見せしたいものがありますと告げ
ご無礼お許しをと寧公主を抱きかかえる。
護衛の者たちは一瞬呆気にとられながらも
人質にでもするつもりかと憤るが
騰はその者たちに告げる。
大事ない!姫君の歩けぬ獣道をしばし行くだけだ
心配ならついて来るがよいと。
そう言って馬を走らせる騰を
両軍の護衛たちは追いかけるが
騰に抱えられながら寧公主は思う。
韓を滅ぼしに来た憎き秦の六大将軍・・・
なのに私を支える手は
とてもやさしくいたわりを感じる・・・と。
そんな事を考えていた寧公主に対し
騰は声をかける。
新鄭の城門を秦軍が力づくで突破し
軍が城内になだれ込んだ時
いかに私とて末端の兵士まで制御は出来ず
城内は火の海に・・・
一般市民にも多くの犠牲が
出てしまうやも知れません。
無血開城の場合は
城内に私が選んだ正規兵だけを入れます故
そういう悲劇は決しておきませんと。
それを聞き寧公主は言葉を挟もうとするが
騰は分かっています今は違いの話をと返し
目的地へと到着したのか馬を止め
寧公主に声をかける。
寧姫 よくご覧になって下さい。
これが本物の戦場ですと。
そう騰によって運ばれた先で寧公主が見たのは
英呈平原にて現在行われている
秦と韓による凄惨な戦場だった。
初めて実際に戦場を見た寧公主は
あまりの凄惨ぶりに涙を浮かべ吐いてしまうも
騰はそんな彼女に声をかける。
吐いてもいいです。
しかし出来れば目をそらさないで頂きたい。
これが戦場です。
残念ながら戦場には
誉の光など輝いていません。
蔓延しているのは無念の死と
傷を負ってもがき苦しむ声です。
国のために家族のためにと
高潔に奮い立つのは開戦まで
あとはただ恐怖と苦痛に耐えて
血を流すだけです。
そしてその後彼らを待つ家族達が
また苦しむのですと。
寧公主はなぜこのようなものを私に・・・と
零しながらも思い直し再び戦場へ目を向ける。
・・・いえ これは・・・この光景は
王室として見ておくべきものです。
私は・・・目をそらしなどしませんよ騰将軍。
そしてこの光景はあなた方が攻めて来たから
起きていることを忘れない!と。
その言葉に対し騰は
・・・残念ですが我らは軍人故
命令通り戦うだけですと語る。
戦争を始めることも終わらせることも
出来るのは王族だけです。
先程の最後まで徹底抗戦のお言葉見事でした。
その勇ましさを聞けば国民はまた
奮い立つでしょう。
しかし本当に最後までとなると
韓の民は全滅となります。
そうなる前にやはりどこかで
降伏せざるを得ません。
国のためにとその線引きが後ろ過ぎると
今度は死なせすぎたと国民に恨まれますと。
寧公主は分かっています
そんなこと・・・と返すが
騰はさらに言葉を続ける。
王都が追いつめられると
朝廷の中には様々な人間が出てきます。
一族で脱走する者や
保身のために降伏を唱える者
秦に寝返る者。
それに怒りを覚え暴力で阻もうとする者
そして何よりも民のことを第一に必死に考える者。
私は寧様がそうだと思い
今回強引に来て頂きました。
残念ながら私の話に納得して頂けませんでしたが
それでも私の考えはお話し出来ました。
後は王都に戻りよくお考え下さい。
韓を一日でも長く保つのか
それとも早めに犠牲を止めるのか
韓の民にとって何が一番なのかを。
酷く残酷なことを言っているのは分かっています。
王室の方に降伏し百七十年続いた
韓の歴史を終わらせることをお願いするなどと
そんな重い行為をあなたのような
可憐な公女に託そうとしている。
本当に申し訳なく思っています。
しかしこの話はあなた様にしか出来ませんでした。
・・・いや他に出来たとしても
寧様にしかしなかったと思います。
寧様がどのような答えを出されても
私はそれを尊重しあなた様を応援してますと。
寧公主は・・・敵なのに応援ですかと返すが
騰は立場と胸の内は同じではありませんよと言い
話はここまでですと馬を返す。
どうか新鄭までご無事にお帰り下さい。
私も戦場に戻ります。
そう言って付いてきた韓の護衛に
抱きかかえていた寧公主を渡し
引き連れてきた護衛の者たちに
ここから入るぞ 干央と合流すると告げる。
寧公主から・・・将軍もあの中へ
行かれるのですかと声をかけられ
無論ですと返す。
洛亜完の首をとって新鄭へ行きます。
どういう形であれ再会致しましょう。
それまでどうか健やかにと。
寧公主は武運をなんていいませんよと言い返すが
騰はお立場的にそれはまずいでしょう
胸の内で思って頂けるだけで十分ですと言い
護衛と共に戦場へと割って入るのだった。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
前回騰が寧公主に新鄭の
無血開城を求めたところから
始まった今回ですが
戦争を終わらせるというのは
本当に難しいですよね。
単純に一戦場であるならば
その指揮官を討ち取るか撤退させれば
勝ちとなるわけですが
今回は国ですからね・・・。
仮に王が徹底抗戦を選んだ場合
それが民にまで派生するだろうことは
想像に難くない。
結果として民にも大きな犠牲が出るでしょうし
治める側としても反発必至と。
無血開城を選んだ場合は
王として処刑されることはあっても
民に犠牲は出ないというか
限りなく少なくなるでしょうね。
ただその決断を不服に思う者もいるでしょうし
抗う力が残っていることから
反乱が起こる可能性もあるかと。
それでも犠牲者という観点から見れば
間違いなく少なくなるわけで
最終的に民も納得しやすいでしょうね。
とまあどちらもそれ相応に
問題が起きるのは間違いありませんが
南陽のように統治できるのであれば
降伏した方がメリットは大きいかなと。
まあ、でも自分が育ってきた国が
滅びるかどうかの話ですので
なかなか難しいとは思いますけどね。
ともあれ今回騰が寧公主と会談し
実際の戦場を見せたことは
彼女の考えに一石を投じたのは間違いないかと。
彼女が最終的にどういう選択をするのかは
まだ定かではありませんが
民の犠牲も抑えられる無血開城の道を
選んでくれればいいなと願うばかりです。
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