魔法使いの嫁 52話のネタバレ&感想になります。
第52篇 The cowl does not make the monk.Ⅲ
内容ネタバレ
霧の中にてラハブと名乗る女性と出会ったチセ。
どうやらチセをここに呼んだのは彼女だったらしく
自身がエリアスにあげたループタイを別の誰かが持っている事に気づき
気になっていたとのことだった。
チセはラハブの雰囲気や様子からリンデルと似たものを感じたようで
リンデルの先生なのかと問いかけると
それは当たっていたようで彼女もまた嬉しそうにリンデルのことを話していた。
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そうして話す内に今ここにはいないステラのことを尋ねたチセだが
どうやら呼んだのはチセだけだったようで
もしかしたら霧の中でちょっと迷っている程度だと聞かされ
思わず心の中でステラに謝っていた。
そしてチセにエリアスとの関係について尋ねたラハブだが
チセが嫁だと知り何か思い当たるものがあったらしく
驚きながらも内心あいつまさか・・・と動揺しつつ
よかったら中で話をしてくれないかとチセとルツを家の中へと迎えるのだった。
一方、チセと離れ霧の中で迷うステラだったが
目の前に姿を見せた灰ノ目にあんたの仕業なのかと食って掛かっていた。
灰ノ目の話ではこれは彼の仕業ではなく
どこぞの何かが異界の路を開いたのに巻き込まれたとのことだが
ステラは以前の経験からかその話をまるで信用していなかった。
そして色々話す内に灰ノ目がまだチセにちょっかいを出そうとしていることに
気付いたステラはもしそうだったら許さないと睨みつけるも
灰ノ目は持たぬお前がどう止めるのだと告げる。
それでもステラは灰ノ目が何かするつもりなら
絶対どうにかしてやるんだからと言い放つと
灰ノ目はそんなステラの態度が面白かったのか笑い声を上げていた。
どうあっても引かないステラに灰ノ目は笑いが堪えきれないようで
彼女を愚かでうつくしいと評すと何とも好ましいと笑みを浮かべ
初めて人の仔ではなくステラと名前で呼ぶと
自身の身体を変貌させつつ人ならぬ者と人の契約が
どういうものなのか教えてやろうと告げるのだった。
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一方、ラハブに案内されるまま家へと迎い入れられたチセは
お茶をご馳走になりながらエリアスがリンデルと共に去った後
再びこの家に姿を見せた時のことを聞かされることに。
ある日疲れ切ったように肩を落としてやって来たエリアスは
ラハブに人間のことを教えてほしいと頼んでいた。
それはリンデルが人間嫌いだから
人間のことを聞くのは駄目だと考えたからだった。
わからないことだらけで誰を真似していいかわからない中で
僕に名前を付けられるようなあなたの真似が出来たなら
きっと僕は人間の中でもうまくやっていけると。
それから数年か数十年かエリアスは
ここに住んで私を真似たとラハブは語る。
食べ方や歩き方など様々なものを真似ていったが
だけど真似させてやれないこともあり
それは感情についてだった。
そしてある時、あれはもう戻ってこなくなり
それからは会っていないと語るラハブだが
チセから話を聞き元気そうで本当によかったと安堵していた。
チセにだからエリアスはラハブに似ているのだと言われたラハブは
笑いながらもだけど私は笑う事すら教えられなかった教師のなり損ないだと話し
いつだったか家族というものについて教えたことがあると語る。
その時には助け合う集合体だと教えたようだが
当時のエリアスの情緒の発達具合では限界もあったようで
そのことを聞かされたチセはその努力はよくわかるとして
ルツもまたありがとうと言わずにはいられなかった。
ラハブはあの子の言う”お嫁さん”は君の抱く意味と違うかもしれないとして
もしそうなら私のせいだと話すが
チセは特にがっかりはしていないようで
”お嫁さん”でもそうじゃなくてもあのヒトのそばにいることは変わらないと語る。
そして最近のエリアスは自分では感じていないかもしれないが
色々と感情を露わにすることもあると聞いたラハブは
思ってもいなかったのか不意に笑い声をあげつつも
嬉しそうに君がエリアスのお嫁さんで良かった笑みを浮かべていた。
そんなラハブに対しチセは上手く言えないんですがと前置きしつつも
今のエリアスの生き方や生活は真似をしたラハブのおかげだと語る。
そしてそんなエリアスに私は助けてもらったのだとして
改めてエリアスと私を助けてくれてありがとうございますと礼を述べるのだった。
その言葉にあんまり年寄りを驚かせてはいけないと
微笑んだラハブはそろそろ帰った方がいいとチセと共に家の外へ。
そして今度は君の話をたくさん聞かせてほしいと言いつつも
出来れば私と会ったことを彼には言わないで欲しいと頼んでいた。
それは心配とは言え監視のようなことをした事もあったが
多少は秘密と事実、真実の扱い方を君も知るべきだという考えからだった。
魔法使いは嘘をつかないようにしなきゃいけないと教わったチセだが
ラハブによると人間でないものは嘘が嫌いだが
彼らが事実だけを話すわけでもなく嘘はつかずに事実や真意を隠し
彼らとの交渉を有利に進めるのもとても大事であると。
その上で私は長くここにいるから”人間”としてはもう助言できないと言いつつも
年若い君はきっとこれから多くの見えるもの、見えないものに惑うだろうが
どうするべきか選べなくともきっと私たちの手足は
やるべきことを知っているはずだからとの言葉を最後に
チセはいつの間にか家へと戻ってきていた。
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呆然としていたチセだったが
そんな彼女にステラから霧の中に閉じ込められたんだけどと声をかけられ
あーやっぱりと思いつつステラになんともないか確認していた。
何故か少し挙動不審気味なステラは大丈夫だと答えたものの
チセはステラの身体から霧ではなく別の匂いを感じ取っていた。
その匂いがなんなのかと色々考えていたものの
ステラが慌てて霧で濡れてるから早く中で乾かしましょと
背中を押されたことで有耶無耶になってしまっていたが
そんな二人を樹の上から覗いていた灰ノ目は
いつまで守れることやらと呟くのだった。
その頃、サイモンの自宅では
監査役の少年が目を覚ましていた。
どうやらすでに記憶の消去が行われた後だったようで
頭痛に苦しみながらも状況の把握に努める少年に対し
サイモンは彼が正気を失っていた事
そして君にかけられた催眠を壊させてもらったと語る。
未だ事態がよく分からない少年だったが
その頭痛は副作用であると言われ
さらにガブリエッラから暗示をかけられたのか
そのまま再び意識を失い眠りにつくのだった。
そうして眠ってしまった少年はガブリエッラがアロンザのもとに連れて行くことになり
サイモンは改めて記憶の消去を行なったエリアスに礼を言っていた。
そしてこれからの少年のことについていくつか話し
エリアスにとりあえずまたこれからもよろしくと
笑みを浮かべながら手を差し伸べるが
エリアスは嫌だとその手を取ることはなかった。
そんなエリアスにまったく・・・といった風にため息を吐きながらも
家の外へと向かうと色々あったためか
長い朝だったなあと体を伸ばすのだった。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
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感想
とりあえずラハブの件も教会でのことも
一段落したみたいですが
色々と謎というか気になる部分が残りましたね。
まずラハブについてですが
彼女がどういう立場にいるのかイマイチ判然としませんでしたし
言える事、言えない事もたくさんあるんでしょうけど
結局よく分からない人物だなというのが正直な所。
まあ、いずれまた何かの折にでも登場するだろうとは思いますが
あの流れからして当分先になりそうですね。
そして今回一番と言っていい程に気になると言えば
ステラと灰ノ目について。
とりあえず話の流れからして
ステラは灰ノ目と何かしらの契約を結んだ可能性が高そうですが
それは一体何なのか気になるところ。
ステラの事ですからチセに悪い事を企んでいるわけではないでしょうけど
灰ノ目は愉快犯みたいなものですので
何かしら考えがあるんだろうなと。
いずれそのこともチセかエリアスにはバレるでしょうけど
何の契約かわからない以上
もやもやしながらその時を待つしかないでしょうね。
あと最後にあの監査役の少年について。
コメントにもありましたが
父親と共に出て行ったチセの弟に繋がるのではないかと思っています。
あの少年自身がチセの弟である可能性もありますし
あの少年の所属している派閥、組織が
関わっている可能性もあるのかなと。
まあ、あくまでも管狐を使役していたというだけという可能性もありますが
わざわざあのタイミングで管狐を使役する少年が登場しましたので
関係がある可能性が高いかなと。
それもいますぐどうこうなるわけじゃないので
何が出来るわけではありませんが
この件もいずれ物語に関わってくる気がします。
ともあれ今回で恐らくチセが戻ってきた際の話は一先ず終わって
次回からは再び学院での話に戻るのかなと。
あちらもあちらで何やら怪しげな行動をとっている者もいますので
恐らくまた何かしらの事件やイベントに巻き込まれるんだろうなと(苦笑)
まあ、よくある日常での話もたまにはいいですが
そればっかりというのも味気ないですし
チセやエリアスが学院で何を起こすのか
何に巻き込まれるのか楽しみにしています。
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