2020年5月25日発売のアフタヌーン 2020年7月号に連載されている
ヴィンランド・サガ 172話のネタバレ&感想になります。
第172話 西方航路⑥
内容ネタバレ
剣の放棄に抵抗する刺青の男達と
トルフィンの話し合いは平行線を辿っていた。
兄貴分であるイ―ヴァルは改めてトルフィンに確認する。
ヴィンランドにも人が住んでおり
そいつらと言葉が通じないことを。
そしてそんな奴らのいるところに行くなら
イザコザが起こる可能性は充分あるよなと問いかけ
トルフィンもそれに同意する。
だったら剣が必要だろうという
言わば当然なイ―ヴァルの主張だが
トルフィンはダメですと受け入れることはなかった。
頑ななトルフィンの答えにイラつきながらも
深呼吸して落ち着いたイ―ヴァルは
先住民はどんな武装をしているのか尋ねる。
トルフィン曰く鉄ではなく石の槍や弓を持ってるらしいとのことで
鉄を知らないということに少し驚きつつも
武装をしているならこっちも武装すべきだ
じゃなきゃ相手にナメられると主張。
その上でオレは難しいことは言っていないとして
バランスが大事だと言い
世の中必要なのは武力のバランスであり
部族の間でこいつが釣り合っていないと対等な取引など
出来るはずはないのだと。
平和を望むにしてもまず武力だというイ―ヴァルの言葉に
トルフィンも同意する。
しかしイ―ヴァルがだったらヴィンランドに剣を持っていくぞと
同意を得た上で剣を持ち込もうとするが
トルフィンから返ってきたのはダメですという言葉だった。
余りにも話が通じないトルフィンに対し
思わずイ―ヴァルが剣を抜くが
それを止めたのは共に話し合いに臨んでいた
ガンランディとストルクの弟分達だった。
その様子にグズリーズが平行線すぎると零し
思わずヒルドが忍び笑いする中
トルフィンは剣にこだわる気持ちわかると語る。
かっこいいですし
持っていたくなる魔力があると。
その上でイ―ヴァルが言っていることも分かると話し
「剣によって平和が保たれる」そうかもしれない
大陸の部族はみんなそうでしたと。
でも剣には人を惑わす魔力もあり
持つ者の耳に囁きかけてくる。
「さあ未だオレを抜け!」
「オレを使うんだ!」と。
ひとり抜けばみんな次々に剣を抜き
その後は地獄が待っているのだとして
トルフィンは語る。
剣がもたらす平和は本当の平和ではなく
それもやはり剣の魔力が持つ者に見せる幻なのでしょうと。
トルフィンは剣の魔力から自由になりたい、
そのためのヴィンランドだとして
その考えを理解してもらおうとするが
イ―ヴァルには全く理解できなかった。
イ―ヴァルはヴィンランドの原住民と争いになった時
ただやられるだけかと問いかけるも
返ってきたのは剣以外の手段で何とかすると言う
行き当たりばったりな言葉だった。
それでも剣を持っていれば使ってしまう
使えば終わりだとしてトルフィンの意志は固く
剣のない国試してみる価値はあると譲ることはなかった。
その言葉を聞いたイ―ヴァルは
要するにお前はお前を信じて従う仲間を使って
結果のわかり切った実験をしようってんだなと告げ
時間の無駄だったと弟分達を連れその場を後にする。
イ―ヴァルはあのリーダーじゃ無理だと判断したようで
開拓団に入るのを止めようと決めるが
弟分からはオレは入ったほうがいいと思うとの意見が。
あいつの仕切りじゃしくじるに決まっていると返すも
弟分からトルフィンがしくじった後には
次のリーダーが必要になるはずだと言われ・・・。
去っていくイ―ヴァルたち黙って見送るトルフィンだが
ヒルドは先程のトルフィンの言葉に思うところがあるらしく
気に入らないなと睨みつけながら声をかける。
剣の魔力、お前のこれまでの悪行も
みんな剣がさせたことだと言いたいのか?と言われ
戸惑いながらもそういうわけではないと
否定しようとするトルフィンだが
彼女の持つ弩はトルフィンに向けられていた。
そして緊迫する状況の中
ヒルドは言い回しひとつ間違えるだけで
お前は死ぬことを忘れるなと告げ
トルフィンは肝に銘じますと返すのだった。
その状況に入りこむことも出来ずテンパったグズリーズは
ヒルドが去った後一息つこうとしたトルフィンに突撃。
いきなりの頭から突撃された挙句
何度も匂いを嗅がれたことに困惑するトルフィンだが
グズリーズは錯乱しているようで
トルフィンがヒルドさんにころされる前に
アタシがトルフィンをころすと言い出す。
奥さんだから!と訳が分からないことを口走るグズリーズは
匂いかいでると落ち着くのだとして
恥ずかしがるトルフィンの匂いを嗅ごうとし
帰ってきたカルリはそんな二人の様子に
あ、なかよしだと笑みを浮かべるのだった。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は本誌かコミックスでどうぞ!
感想
最後のページの欄外にも書かれてましたが
イチャイチャすんなし!って感じでしたね。
まあ、トルフィンとグズリーズの関係が良好なのは
悪いことではないので別にいいんですが
あのヒルドとの一幕の後にそれですか・・・と。
あの二人の緊迫した様子を見て
テンパったんでしょうけど
眼の中がぐるぐるしていましたし
本当に錯乱状態もいいところでしたね。
それはそれとしてあの刺青した男達の名前が
それぞれ明らかになったことでおそらくヴィンランドに
一緒に行くことになるんだろうなと思いますが
一波乱も二波乱もありそうな感じですね・・・。
トルフィンには受け入れられなかったイ―ヴァルの主張ですが
トルフィンよりもよっぽど現実的なのは間違いないかと。
弱肉強食が世の常なのは今も昔も変わらないですし
トルフィンの考えは理想論もいいところですしね。
ただトルフィンがヴィンランドに築こうとしているのは
そんな理想を持った国ですので
それが気に入らないならこなくていいという感じでしょうか。
別に無理に誘っているわけではないですしね。
それはそれとしてイ―ヴァルたちが
トルフィンの事を弱者だと思い込んでいるのは
ぶっちゃけ気に入らないところ。
まあ、一般的にトルフィンは背が小さいので
そうみられるのも分からなくもないんですが
行動を共にするならいずれ何らかの形で
分からせてほしいものです。