2024年11月25日発売の
アフタヌーン 2025年1月号にて連載されている
ヴィンランド・サガ 216話の
ネタバレ&感想になります。
第216話 千年航路㉕
内容ネタバレ
トルフィン 目を覚ませ・・・
起きろトルフィン・・・
その呼びかけに目を覚ました
トルフィンの目の前には
トルフィンによって生を屠られた者たちがいた。
そんな彼らに対して
トルフィンは声をかける。
・・・やぁ久しぶりですね
皆さんに会うのは・・・
・・・がんばったつもりですが
・・・だめだった。私は失敗しました。
皆さんを平和なヴィンランドで
安らかに眠らせてあげたかった。
うまくいくと思ったんだけどな・・・と
項垂れたトルフィンは
顔をあげて皆に語り掛ける。
さぁ・・・お待たせしました
連れていってください。
死者の国かヴァルハラか
私に相応しい場所へと。
しかしそんなトルフィンに
死者たちは語り掛ける。
平和の礎が地に倒されている。
元通りに起こしてくれ。
失敗などしていない
お前は確かに船出を果たした。
永い旅が始まったのだ。
船は千年の航路へ漕ぎ出した。
進路になにも見えなくとも
恐れることはない。
漕ぎ出したばかりなのだからと。
平和な碑のこと頼んだぞ。
さあ もう起きろ・・・。
その言葉を最後に死者達は去っていき
目覚めたトルフィンの目の前には
懸命に名を呼ぶニスカの姿があった。
ニスカが目を覚ましたことを
師匠であるミスグェゲブーシュに
知らせに向かう中残されたトルフィンは
自分が生きていることを改めて確認すると共に
こうしている場合ではないと外へ向かって動き出す。
しかし体は思うように動かず
住処の入口で倒れているところを
ニスカ達に見つかってしまうことに。
それを見たミスグェゲブーシュは
大したものだと素直に賞賛していた。
6本も矢を受けながらよみがえるとはと。
そうした中、ウサギを狩ってきた
ヒルドが姿を見せたことで
トルフィンは状況を尋ねるが
ヒルドに落ち着けと言われてしまう。
お前はまず食べなければと。
大人しく食事をとり始める
トルフィンにヒルドは説明する。
ここはミスグェゲブーシュの隠れ家で
お前が倒れてから6日半が経っている。
傷も深いが・・・お前に刺さった
矢の一本が毒矢だったらしい。
6日間お前はほとんど意識がなかった。
ミスグェゲブーシュとニスカワジージュが
付きっきりで解毒と手当てをしてくれた。
プルムクは食料や毛皮
この鍋まで調達してきてくれた。
お前が助かったのは彼らのおかげだと。
ミスグェゲブーシュまでもが
助けてくれたと聞かされ
トルフィンは改めて礼を述べる。
ウェラーリン・・・ありがとう・・・
あなたもペストに感染するかもしれないのに・・・と。
ミスグェゲブーシュは告げる。
私には大いなる精霊の加護がある。
病気にはならん。
お前の命を助けたのも
大いなる精霊だ。私ではないと。
そしてヒルドは今の状況について語る。
ウーヌゥの軍団が砦を囲んでから
今日で丸6日だ。
昨日一日偵察していたが大きな戦闘はなかった。
仲間にお前の生存を伝えたかったが・・・
砦に近づくことができなかったと。
それを聞いたトルフィンは
撤退して・・・いないんですねと零し
ヒルドはさらに言葉を続ける。
撤退出来ないのかしたくないのか・・・
あるいはお前の帰りを
待っているのかもしれないと。
その言葉にトルフィンは行きましょう
一刻も早く・・・と立ち上がるも
そうすぐに回復するはずもなく
視界が歪み蹲ってしまうことに。
ヒルドはトルフィンの体を支え
無茶するな・・・と声をかける。
6日も寝込んで動けるわけがないだろう。
気持ちはわかるがまず少し腹に入れて
せめてあと一晩休めと。
しかしそれでもトルフィンは
・・・休んでいる間にも人が死ぬと
息を切らせながら口にする。
人が死ねば死ぬほど・・・
和解の日は遠くなる・・・と。
ニスカによって通訳された
トルフィンの言葉を聞き
ミスグェゲブーシュは困惑していた。
この期に及んで和解を考えているのか?と。
トルフィンはもちろんですと答える。
いつかきっとウーヌゥとノルドは和解する。
争いは和解で終わらなければなりませんと。
それを聞いたミスグェゲブーシュは
お前は私にこの地を去ると言った。
あの言葉は偽りだったのか?と尋ねるが
トルフィンは己の考えを語る。
うまくいかないときは距離をとるということです。
今回の対立は病気が流行したことが原因です。
私は世界をめぐって
ペストを治す方法を探してみます。
それがみつかったらまた戻ってきます。
我々の共存をあきらめたわけではありませんと。
そんなトルフィンの考えを
ミスグェゲブーシュは否定する。
共存などありえない。
病気だけではない。
暮らし方もあがめる霊も違う。
うまくいくわけがないと。
しかしそれに対して
言葉を挟んだのはプルムクだった。
そんなことはないぜ。
現にオレ達はあんたが凶行を
はたらくまではうまくやっていたんだ。
一族を病気で大勢亡くして
オレも一時はノウド人を恨んだよ。
「ノウド人さえいなければ」って思った。
でも・・・恨み切れなかった。
だってこいついい奴なんだもんと。
そしてミスグェゲブーシュの背後に立ち
肩に手を置きつつ語り掛ける。
ブーウォイン。
自分の目で目の前の男をよく見てくれ。
オレ達に殺されかけてボロボロだよな。
なのにまだオレ達と仲良くなろうとしている。
アンタの目にはこの男がどう映る?
共存できない相手だと思うかい?
精霊の秘術を使う前に・・・
ブーウォイン・・・あんたはまず
ノウド人の友達を作るべきだったんだ。
そうは思わないか?と。
ミスグェゲブーシュにトルフィンは語り掛ける。
友達になりましょう 今からでも遅くないと。
ミスグェゲブーシュは・・・もう遅い
私はお前達に軍勢をけしかけたと目を閉ざす。
トルフィンはでも私を助けてくれたと言うも
ミスグェゲブーシュは我々は敵同士だと
頑なな態度を崩さず返すが
トルフィンはそれでも語り掛ける。
いいえ 私に敵はいませんと。
その言葉を聞いたミスグェゲブーシュは
あまりの衝撃に固まりながらも口を開く。
それは・・・大いなる精霊の在り方だ・・・と。
ミスグェゲブーシュは
じっとトルフィンの顔を見て思う。
なんということか・・・
ノウド人の口から奥義を聞くとは・・・と。
そしてミスグェゲブーシュは
目を閉じ空を見上げ
プルムクに言葉を返す。
認めよう・・・お前の言う通りだプルムク。
私は・・・秘術のみでノウド人を
知ったつもりになっていた。
私は間違っていたと。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
ようやくトルフィン視点での話になりましたが
いきなり死者たちとの邂逅が始まるとは・・・。
あれはあくまでもトルフィンの
精神世界的なものだとは思いますが
彼らが恨み言を口にすることなく
トルフィンに対して優しい言葉をかけたのは
ちょっと泣きそうになりました。
トルフィンはやってきたことが
やってきたことですし
自責の念も深かったでしょうけど
あの言葉で随分救われたのではないかと。
償いたくてもできない人たちに
トルフィンが向かおうとしている道が
間違っていないと言われたも同然ですし。
それにしても”千年航路”というタイトルで
もう25話目を迎えたわけですが
ようやくその意味が分かった気がします。
それだけトルフィンの歩む道が
難しいものであることも・・・。
それはそれとして話は変わりますが
トルフィンとミスグェゲブーシュが和解したのは
かなり良かったのではないかと。
この騒動のきっかけを作ったも同然の
ミスグェゲブーシュがトルフィンの事を
少しでも理解できたというだけでも
凄いことだと思います。
まあ、ミスグェゲブーシュとしても
秘術で未来がわかったからこそ
ああいう行動をとってしまったわけですから
仕方ない面もなくはないですが・・・。
ともあれプルムクが言ったように
秘術うんぬん言うよりも先に
トルフィンを知ること理解することから
始めていればまた違った展開になっていたのかも。
それでもウーヌゥと和解するには
最低限必要なことだと思いますので
全てはここからでしょうね。
あとはこの戦いをどう収拾させるかですが
ぶっちゃけどうしたらいいのか・・・。
それでもトルフィンも生きていたことですし
ミスグェゲブーシュとも
ようやく話ができるようになったので
上手いこと解決策が生まれればいいなと
願うばかりです。
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