鉤月のオルタ 2話のネタバレ&感想になります。
第2話 秤
内容ネタバレ
”イェニチェリ”
14世紀ムラト一世によって創設された歩兵部隊であり
オスマン帝国常備軍カプクルの中核をなし
のちにヨーロッパ諸国を恐怖に落とし入れる。
彼らの多くは戦争捕虜や異教徒の子供が強制徴用され
皇帝直属の奴隷兵として教育・訓練されたエリート兵である。
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人や街、そして国がこんなにもあっけなく滅んでいく光景を目にしたアゼルは
何をすれば生きられるのかと考えながら一人森の中を歩いていたが
すでに体力が尽きていたようで崩れ落ちる様に倒れ込み・・・。
グルシアやクルト、ジェイランやナーネ、そしてユトゥマと共に訓練していた頃の夢を見ていた
アゼルが目を覚ますとそこは牢屋の中だった。
そこには泣きじゃくるユトゥマの姿があり
半身に火傷を負っていたものの現在の状況について聞くことに。
捕えられた牢の外ではタウジャンと呼ばれる男によって
アゼル達と同じくらいの年のミュチャイトレルの者達が
焼印を押され帝国へと運ばれようとしていた。
タウジャンによると帝国兵には反抗的な奴、戦えない奴は必要がないらしく
選別した結果クルトやユトゥマは不適格とのことだった。
反抗的な態度をとっていたクルトが痛みつけられ
タウジャンによって教師であるカプルンバーの前に出されながらも
アゼルはどうすればクルトとユトゥマを助けられるのか考えていた。
カプルンバーは目ざとくアゼルのしていた宝玉に気づき手を伸ばすが
次の瞬間その指はアゼルによって喰いちぎられ・・・。
そんなアゼルに対してタウジャンは何か思うところがあったのか
カプルンバーに焼印を預け躾のために代わりにやれと指示し
自分は天幕の外へと小用に向かい
残されたカプルンバーは指を喰いちぎった罰だとしてアゼルの肩に焼印を押し付けるが
一言も悲鳴を零すことなく耐えていた。
そして耐えきったアゼルはカプルンバーを睨みつけながら
ここは僕たちの国だ、この程度でお前たちの言いなりにはならないと言い放つと
タウジャンがいないのを機に脱走を図り
ちょうど良く見つけた馬に乗って逃走することに成功する。
しかし戻ってきたタウジャンの放った投擲により
ユトゥマが馬から落ちてしまい
なんとか助けようとするも追手から逃げるためにその場に留まる事が出来ず・・・。
二人はユトゥマを助けたいと思いつつも戻るわけにはいかずそのまま逃走を図るが
走らせていた馬が限界を迎えたのか振り落とされてしまうことに。
それでも追手から逃げようとアゼルはクルトのもとへ向かうが
そこには事切れたジェイランとナーネの姿があり
呆然とするアゼルの背後には何者かの手が忍び寄り・・・!?
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この場所はどうやら狼の巣となっているらしく
追手もここで馬を捨てたのかと判断したようでこの場所から離れていく中
アゼルとクルトはバイクシュによって口を塞がれ王墓の中にいた。
バイクシュは祭りの中運よくこの王墓の近くに居たことで難を逃れたらしく
何も出来なかったと嘆くアゼルを慰めるが
クルトはジェイランとナーネの姿を見て生きる気力を喪っていた。
そんなクルトにアゼルもダメなのかと諦めかけるが
グルシアから言われた言葉や皆の顔を思いだし
今何をすれば生きられるのか考え松明を手に外へ向かう。
ジェイランとナーネの亡骸のもとへやってきたアゼルは
ごめんねと謝ると近くにあった岩を手に
亡骸に向けて何度も振り落としていた。
クルトはアゼルが何故そんな事するのか理解できなかったようで
身体を張って止めるがバイクシュは二人の亡骸を
自分達に見立てようとしている事に気づいていた。
アゼルは自分を止めたクルトにグルシアが自分の代わりになった事
皆がボクを生かすために犠牲になったのだと涙を流しながら叫び
ボクはナーネとジェイランの分も生きて皆の仇を取るんだと
再び岩を振りかぶっていた。
そんなアゼルの決意にクルトは後は俺がやると言い
お前一人だけで背負ってるんじゃねーよと告げ
泣きじゃくりながら岩を振り下ろし・・・。
夜が明けた頃。そんな二人の行動が功を奏したのか
追手は身代わりになった亡骸を彼らだと判断したようで
タウジャンもまた彼らを叱責しながらも本隊に合流するため帰ると指示。
牢の中には再び捕えられたユトゥマの姿があり
あの者の処分はどうするのかと聞かれたタウジャンは
気が変わったと言いながら焼印を手にし・・・。
最後の隊がここから離れたことに気づいたバイクシュは
そのことをアゼルに伝えようとするが
アゼルとクルトはすでに眠りについていた。
そんな姿を見て改めてバイクシュは
グルシアの後ろに隠れているとばかり思っていたアゼルをわしが見誤っていたと
陛下やアルタイの言っていた事は間違ってなかったと一人涙していた。
16世紀初頭オスマン帝国セリム1世の命により
反乱分子と見なされたアナトリア東部諸州が次々と姿を消し
その際処刑されたものは記録にあるだけでも4万人にも及んでいた。
そして時は流れ、7年程経過した頃
狩られるものだった少年は地獄を生き抜き、狩るものとなり
全滅し燃え盛るイェニチェリの部隊を見て冷めた表情を浮かべながら
こんなんじゃ全然足りないんだグルシアと呟いていた・・・。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は本誌かコミックスでどうぞ!
感想
前回に引き続き地獄の中といっていいくらいに
悲惨な状況となったわけですが
とりあえずあの指揮官らしきタウジャンとは
いずれどこかの戦場で出会うことになりそうですね。
随分と良いキャラしていましたし
今回きりというのはちょっともったいないというか
捕えられたユトゥマも含めて敵対することになるのは間違いないかなと。
それにしてもアゼルのとった方法についてですが
子供の身には正直かなりキツイことだったとは思いますが
誰かを身代わりにするというのは古今東西どこでもあることですので
珍しくはないかも。
まあ、やっていること自体はどう考えても褒められることではありませんが
あれしか方法がなかったことも事実ですので仕方がないかなと。
それはそれとしてあれから七年後に移ることになったわけですが
アゼルは随分と成長したみたいですね。
まあ、七年も経てば少年から青年になりますから分からないでもないんですが
その恨みというか怒りは全く衰えていないようですし
これからどう展開していくのか正直楽しみです。
空いた七年間のことが語られる時が来るのかは分かりませんが
ある程度力をつけたであろうアゼルがオスマン帝国に対して
どう反旗を翻すのかも含めてここからがスタートと言っていいでしょうし
これからさらに面白くなることを期待したいですね。
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