2019年5月2日発売のコミックガーデン 2019年6月号に連載されている
魔法使いの嫁 58話のネタバレ&感想になります。
第58篇 Better bend than break.Ⅲ
内容ネタバレ
チセに書紡ぎ蜘蛛(ウェブスター)の話をしたことを
リアンから尋ねられたジャスミン。
うっかり言っちゃっただけだと返すも
リアンはそれはそれで問題だと話し
俺達の家、七つの盾は良くも悪くも力が強いのだとして
それはいつでも考慮しなくてはならないと注意するように告げる。
ジャスミンの家、セント・ジョージ。
リアンの家、スクリムジョー。
どちらも七つの盾の一つと数えられている家だが
ジャスミンは毒を吐く竜も吸血鬼も人狼もいない今の時代には
お払い箱であると卑下しており
リアンもまた人から魔術師から魔術師を守るスクリムジョーとしての
己の血を認めながらも別の道へと進もうと考えていた。
そんなリアンの考えが魔術師として認められるはずもなく
ジャスミンはそのことを注意しようとするが
リアンはその事について言葉を交わすつもりはないようで
書紡ぎ蜘蛛(ウェブスター)の話に戻すと
裏がないならあの家の話はやめておけと忠告する。
ジャスミンは家系が絶やされるなんてよくあることだとして
あの家は運が悪かったのだと語り取り合う様子を見せずにいたが
リアンはルーシーのことを思い浮かべつつ
生き残りがいる以上”終わっていない”可能性があると告げ
その場を後にするのだった。
学院では様々な授業が行われており
午後の時間チセたちのクラスは
体育の授業としてボルタリングをしていた。
いざって時に体を動かせたほうが良いという方針から
体育の時間はそれなりに多いらしく生徒達もまた
それぞれ得意だったり苦手だったり様々だった。
ルーシーは体力がないのかきつそうにしていたものの
フィロメラは他の生徒に比べ身体能力が優れているらしく
それを見たチセもまた思わずすごいねと声をかけるほどだった。
そんなチセの声にありがとうと答えたフィロメラだが
その様子を見ていたヴェロニカには二人が仲良さそうに見えていたようで
あの子と仲良くなったのねと声をかけられることに。
これを機に色々話してみればいいじゃないと言われた
フィロメラはそれは命令でしょうかと暗い表情を見せ・・・。
チセがクラスメイトと楽しそうに授業を受ける様子を
エリアスはじっと見守るように視ていた。
そんなエリアスへ声をかけてきたアドルフもまた
エリアスが授業のない時にいつも彼女を視ていたことに気づいていたらしく
気になりますかと尋ねていた。
エリアスはチセが僕にはしない顔をすることを嫌だと思いつつも
目が離せないようでそれを聞いたアドルフもまた
それに同意するようにわかりますよ、なんとなくと答えていた。
アドルフは嫌なことをたくさん思い出すが
一緒にいい思い出も浮かんでくると話し
矛盾しているけどよくあると語る。
そんなアドルフの表情を見てエリアスは
最近そういう顔をよく見ると語り
それは君の何を思い浮かべているのかと尋ねていた。
それはアドルフにとっては意外だったようで
チセさん以外に興味が出てきたのかと内心思い少し焦った様子を見せつつも
アドルフはよく思い出すのは故郷のドレスデンだと語る。
ドイツのドレスデンの医者の家に生まれ
医学の勉強は苦手で親にもよく怒られていたが
お気に入りの菩提樹がありその下で妹のおままごとに付き合ったり
恋人ができて振られたり親からくすねた煙草を吸ってみたりしたのだと。
大戦がはじまるずっと前に故郷を離れ
リンデルと会ったのは1940年の5月頃だったが
大戦が終わって戻った頃には瓦礫ばかりで
記憶にあるものは全部埋もれていたと。
何もかも失った後であらゆることを思い出すのだと語るアドルフに
エリアスは僕にはやっぱりその手の判断がまだつかないと語る。
その記憶が自分にとって良いものなのか悪いものなのか、
ただ思い出す、思い出せない部分だって多いのだと。
アドルフはひとつをとって良い悪いを判断することは出来ないとして
記憶は前後も左右もあって色んな事が複雑に絡んでおり
不快でなければいい記憶ってぐらいでいいのではないかと語る。
エリアスはそんなアドルフに対し
リンデルから自分の話を聞いたのだろうと話した上で
だから僕に色々教えたり面倒を見ようとするんじゃないのかと問いかける。
君は僕を恐れたようだったから
そうじゃなきゃ僕と関わろうとしないだろうと。
そんなエリアスに対しアドルフは魔術師相手と違ってごまかすのは無理だと判断すると
その通りだとしてリンデルから色々聞いたことを明かす。
その上で俺が怖いのはあなただけではないですし
リンデルから言われただけではないと語り
怪物だけでなく怖いものはこの世にたくさんあるのだと語るのだった。
それは何なのか尋ねようとしたエリアスだったが
リンデルの表情を見て答えてくれないことに気づく。
アドルフはあなたが人間の子と暮らせるようになったように
この世はちょっとずつ変わっていると語り
今みたいにもっと色んなことを誰かに訪ねてみるといいですよと話し
エリアスもまた僕の先生はあの子だと言いつつも
気にしてみると返すのだった。
その日の夜、いつものようにアトウッド兄妹の様子を見て
自室へと戻ってきたフィロメラだが
そんな彼女のもとに手紙を携えた遣い鳥の姿が・・・。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は本誌かコミックス、MAGCOMIでどうぞ!
感想
今回もあらすじがかなり長くなってしまったので
色々と端折ってしまいました。
とりあえずあらすじにのせていない部分としては
チセがクラスメイトとの会話で
魔術師には核府といわれる内臓と一緒になっている器官があり
ゾーイもそれがあるということ。
チセたち魔法使いには
あるかどうか今のところ不明のようです。
そしてもう一つがナルシスとトーリーの関係。
隠れてチセを視ているエリアスを視ていたナルシスですが
トーリーとは色々あるみたいですね。
トーリーは自らを”トリスタン”と呼ぶナルシスのことが苦手のようで
ここは本家でもアメリカでもないと話していたので
その辺りで関係があったのかも。
ということで感想に移りますが
とりあえず今のところチセの学院生活はうまくいっているみたいですね。
ゾーイのあれこれによるものも大きいかもしれませんが
結構なじんでいるように思えます。
そしてエリアスもまたアドルフと色々話していましたし
そういった意味でも学院にきて良かったのではないかと。
とまあ、順風満帆とはいかないまでも
それなりに学院生活を送っている二人ですが
気になるのは書紡ぎ蜘蛛(ウェブスター)とフィロメラについて。
書紡ぎ蜘蛛(ウェブスター)については
ジャスミンとリアンの会話から絶やされた家系が関わっていること
そしてルーシーがそれに関わっていることくらいでしょうか。
悲劇とつくくらいですからそれなりに厄介なことが起こったのだとは思いますが
詳細については今のところ明かされていないので
これに関してはいずれの機会にでも明らかになるかなと。
そしてフィロメラについてですが
彼女が驚異的な身体能力を持つことが判明しましたね。
あくまでも今のところは他の生徒に比べてという話ですが
体育の授業でも全く息を切らせていなかったので
その実力はかなりのものではないかと。
今話の最後に遣い鳥が手紙(指令書?)を持ってきたみたいですし
彼女が誰かの指示or命令を受ける立場の人間なのは
これまでの流れからして間違いないかと。
それがヴェロニカからなのかその上からなのかはわかりませんが
ヴェロニカとの会話での表情を見る限り
好きで従っているわけではなさそうですね。
まあ、学院内というか魔術師もどろどろしているみたいですので
権力闘争とかそういった類の話なのかもしれませんけど
フィロメラ自身は悪い娘じゃなさそうなので
早いところ解放されればいいなと願うばかりです。
といった感じで色々と裏では問題が起きそうではありますが
チセたちはそれなりになじんできているので
この調子で学院生活を送って欲しいものです。
何も問題が起きないということはまずあり得ないとは思いますが
チセにとってもエリアスにとってもこの学院での生活は
良い影響を与えてくれそうですし
辞めるような事態にならないことを祈るばかりです。