2023年1月7日発売の
別冊少年マガジン 2月号に
連載されている
アルスラーン戦記 114話の
ネタバレ&感想になります。
第114章 ギスカールの罠
内容ネタバレ
ルシタニアから奪還した
王都エクバターナにて
民衆の前に立ち
自身がパルス王統後継者であると
宣言したヒルメス。
突然の宣言に民衆達は
事態が呑み込めず
騒然としていた。
疑う民衆に対しヒルメスは
仮面を外しアンドラゴラスによって
焼かれた顔を露わにしたことで
歓声をもって迎えられることに。
しかしサームはこれは別に
皆がヒルメス殿下を
歓迎しているのではないと
理解していた。
ルシタニア軍に対する
憎悪と反感とが裏返しに
なっているだけのこと。
もしヒルメス殿下が失政をなされば
たちまち非難の叫びに
一変するだろう・・・!と。
その後城門を閉ざしたことで
なぜ外に出られないんだと
不満が高まる民衆達。
サームが城内から逃げたルシタニア兵
それにギスカール軍がいつ
引き返してくるかわからないと
説明したことで一先ず
落ち着きを見せる。
しかし水も足りず
隊商も入って来れない現状に
不満を持っている民衆も
少なからず存在していた。
そんなサームを労ったヒルメスは
これからの軍用金に当てる為
宝物庫へと向かう。
兵に鍵を捜させていたが
何故か扉は開け放たれているらしく
案内されるままに向かうが
そこにはあるはずの歴代の宝物が
一切残っていなかった。
どうやらギスカールが
すべて陣中に持ち去っていたようで
ヒルメスはギスカールによって
自身が嵌められたことに気づき
怒りを露わにしていた。
俺が西方で時を
待っているのを知りながら
少数の兵だけ残して
王都を空にした。
それ故俺は容易に
入城することができたが
王都はこの有様・・・。
水もない糧食もない
軍用金も何も・・・!と。
一方アルスラーン陣営では
エクバターナを偵察していた
エラムが戻り報告を受けていた。
城壁にかかげられていた
ルシタニアの軍旗が降ろされ
城壁上の兵たちも
パルスの軍装をしていたと。
ナルサスはエラムから
東西南北全ての城門を
閉ざしていると聞かされ
今の王都の状況を推察し
アルスラーンに説明する。
エクバターナの市民は
ようやく侵略者の手から開放され
喜んでおりましょう。
ところが解放者であるはずの
ヒルメス王子はべつに市民の幸福を
願っているわけではない。
自分が手に入れた
王都の支配権が大事なのですと。
そうこうしている間に
パルス軍とルシタニア軍の
動向を探らせていた
ジャスワントが戻り
報告を受けることに。
パルス軍は戦場から西へ移動したが
日没を待たずに野営の準備を。
いっぽうルシタニア軍は
隊列らしい隊列もなく
ひたすら西北へ。
軍の中核が一万騎ほど
かなりの量の荷を
厳しく警護しながら進んでいたと。
報告を受けナルサスは
エクバターナを陥すのは
今では容易だと語る。
民を飢えと渇きから救う
アルスラーン王太子軍!
「我々は民の味方であるパルス軍だ」
「市民のために食糧と水を持ってきた」
そう城外から呼びかければ
門は内側から開く。
それを止めようとするなら
その時のエクバターナの統治者は
民を殺すことになる。
市民にしてみればこの統治者は
自分達を殺す気だ・・・となり
怒りの矛先は統治者にむかう。
精神的に限界が来ている
市民の怒りは急速に拡大し・・・
その恐怖から逃れるために
誰かが城門を内側から開くだろうと。
我々には他にやるべきことがあり
王都の攻防は国王陛下と
ヒルメス王子にまかせておけばよいと
語るナルサスに対し
アルスラーンは尋ねる。
父上と従兄弟殿と
両者の間に私が立って
和解させてさしあげることは
できぬものだろうかと。
その言葉を聞きダリューンは
言葉を選んで諭すが
ナルサスは一蹴する。
殿下の現在のお力では
どうにもなりますまい。
口を挟めばかえって
事態が悪化するだろうと。
言われるまでもなくアルスラーンも
現在の自分に無理なことは
よく分かっていた。
私には今三万に満たぬ兵しかおらず
五十万もあれば
その威で二人を和解の席に
つかせることもできようが・・・
私にはその実力がないと。
ファランギースらから励まされ
顔を上げたアルスラーンを前に
ナルサスは改めて
これからどう動くべきか語る。
ギスカール公ひきいる
ルシタニア軍を討つ。
おそらく彼はパルス軍が
分裂している事を知っている。
エクバターナという
甘美な餌を前にパルス軍各派が
争う事を狙っているのだろう。
パルス軍が王都争奪戦を
繰り広げている間に
自分の戦力の無駄な部分をそぎ落とす。
そして精鋭のみを残し
再起をはかろうとしていると。
ジャスワントの報告にあった
ギスカールが運んでいる大量の荷は
王都にあった宝物だろう。
今 ルシタニア軍は
莫大な軍資金を持った少数精鋭
まずはそれを倒すと。
そんな話をしている最中
進軍中の陣営にて
アルフリードとエステルが
騒動を起こしていた。
どうやらエステルは国王を救う為
エクバターナへ向かおうとしており
アルフリードは今行っても
殺されるだけだと宥めていた。
結局アルフリードに
力づくで押さえつけられ
諭されたことで落ち着いたものの
ダリューンは厳しい表情を見せる。
王都に送り届けた
ルシタニア軍の傷病者たちは
助かっているだろうか・・・と。
ナルサスも・・・厳しいと考えており
アルスラーンは切なげな表情で
王都に思いを馳せるのだった。
一方その頃玉座に座り
居眠りしていたヒルメスは
何者かの呼び声によって目を覚ます。
・・・何者だとの問いかけに応え
姿を見せたのはパルスの裏切り者である
元宰相・フスラブだった。
アンドラゴラスが脱獄した際
密告の罪により馬車に轢かれ
亡くなったはずのフスラブは
ヒルメスに対して告げる。
おかえりなさいませ わが君と。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
戦では狂ったように見えた
ギスカールですが
やっぱり侮れないですね・・・。
まさか王都の宝物を奪った上で
王都を餌にするつもりだったとは
正直大したものだなと。
ナルサスにはバレていたものの
ヒルメスやアンドラゴラスに対して
かなり効果があるのは
間違いないでしょうね。
ナルサスだからこそ気づけたわけで
彼がいなければ想定通り
王都から持ってきた軍資金を使い
再起出来ていた可能性もあったかも。
まあ、バレてしまった以上
それも難しくなったわけですが。
とりあえずアルスラーン陣営が
ギスカールへ狙いをつけたのは
明らかになりましたが
アンドラゴラスはこれから一体
どうするつもりなんでしょうね?
アルスラーン軍がギスカール率いる
ルシタニア軍に仕掛ける以上
そちらを無視して王都に向かう
という可能性が高いのかなと。
あくまでアンドラゴラスが
王都の宝物庫がすでに空であると
気づいていないならばですが。
その場合、ヒルメス軍と
アンドラゴラス軍による
王都攻防戦になるのかなと。
ただアンドラゴラスが
王都に向かった場合
民衆がそちらに味方する可能性も
大いにあり得るでしょうね。
ただでさえ王都には
水も食糧もないようですし
籠城もままならないわけですから。
そこで気になるのは
亡くなったはずのフスラブが
ヒルメスの元へ姿を見せた事。
アンドラゴラスの脱獄騒ぎの際に
馬車に轢かれて亡くなったはずですので
恐らく魔道士によって
操られているんじゃないかなと
予想していますが・・・。
そうじゃないとしても
何らかの意図があって
姿を見せたはずですので
その辺り気になる所です。
なんにしてもフスラブの接触により
少なからず状況に変化があるでしょうし
これからどうなるのか楽しみです。