2025年3月25日発売の
アフタヌーン 2025年5月号にて連載されている
ヴィンランド・サガ 217話の
ネタバレ&感想になります。
第218話 千年航路㉗
内容ネタバレ
戦いを止めるため
停戦を求めるガーハホチらと共に
アルネイズ村へと戻って来たトルフィン。
しかし砦にて抗戦を続けるストルクは
仲間の仇であるウーヌゥ人との停戦を拒否。
そうした中、ストルクがトルフィンを
説得するためエイナルを呼び出す。
戦争を経験したためかエイナルは
以前と変わり果てた姿であり
トルフィンはそんな友を見て気づく。
エイナルは人を手にかけたのだと。
トルフィンの目にはエイナルの背後に
彼が命を奪ったウーヌゥ人の姿が見えており
目を逸らしたトルフィンの表情から
エイナルはトルフィンも自分と
同じものが見えていることに気づき口を開く。
そうだな・・・そうだった。
お前にはこれが見えるんだった。
トルフィン・・・お前はずっと
これに耐えていたのか すごいな・・・。
オレには・・・無理だ・・・
この先ずっとこれを背負い続けて
生きていくなんて出来そうもない・・・
オレは人を殺してしまったと。
そう嘆くエイナルにストルクは
これは戦争だ、エイナル お前は
すべき事をしただけだと告げる。
お前が戦うと言ったんだぞ?
今さらグラつくな。
戦う以外に選択肢はあったか?と。
エイナルは選択肢という言葉を聞き
トルフィンと意見を違えた時のことを語り始める。
あの時・・・トルフィンお前は・・・
ウーヌゥの大軍団を見て
その場で撤退を決意した。
オレは・・・戦う事を決意した。
仕方がなかった。
仕方がなかったんだ。
向こうが攻めてきたんだ。
戦いもしないでアルネイズ村を
あきらめるなんてできなかった。
この村を守りたかったんだ・・・
それのなにがいけないんだ!
オレは正しかった
「エイナルは正しかった」と言ってくれ!
仕方がなかったんだ!
そうだろう!?トルフィン!
訴えかけるように声をあげるエイナルに対し
トルフィンは諭すように告げる。
・・・オレが今・・・「お前は正しい」と
お前に言ってやったところで・・・
お前の感じている死者を負う
苦しみは無くならないんだ。
オレも一緒にその死者を背負うよ。
オレに出来ることはそれだけだ・・・
兄弟・・・と。
トルフィンの言葉を聞き
エイナルはようやくトルフィンの事を
理解できたのか口を開く。
・・・やっとわかった。
お前は今日まで「仕方ない」と
戦っていたんだな。
「間違っている」けど「仕方ない」
そういうものをどこまで選ばずにいられるか・・・
お前はすごいな。
やっぱりお前は本当の戦士だ。
停戦しよう。
トルフィン お前が正しかったと。
エイナルの口から停戦の言葉を聞き
今まで戦ってきたアルネイズ村の
男達の反応は様々だった。
・・・停戦?
ヴィンランドから撤退するってことか?
いまさらこの村を捨てるのか!?
それじゃこの一年半のがんばりは
なんだったんだ!?
じゃあどうする これからも
ウーヌゥどもと戦い続けるのか。
オレはもうとにかく
ぐっすり眠りてェ・・・と。
トルフィンはエイナルの肩に手を置き
よく決心してくれたと笑みを浮かべる。
そしてストルクにも
残念な気持ちは私も同じだが
でもどうかあなたも
停戦に同意していただきたいと。
場の雰囲気が変わったことに気づいた
ガーハホチはニスカに通訳を頼み
今の状況を確認する。
戦いがこのまま終わりそうだと判断したのか
ガーハホチが他の者達に指示を出す様子を
ストルクはじっと見ていた。
そしてガーハホチが振り返り
自分から目を離した瞬間
ストルクは懐から取り出した
ナイフを手に走り出す。
ふざけるなよ腰抜けども。
負けちまったらイーヴァルと
ガングラディは無駄死にじゃねェか。
そんなこと認められるかと。
ストルクが何をしようとしているのか気づいた
トルフィンはストルクを止めようとするも
傷の痛みで一瞬動きを止めてしまう。
そうしている間にも
ストルクはガーハホチに
ナイフを突き立てようとしていた。
停戦になんかさせねェと。
隙を突かれる形となった
ガーハホチは動けず
ストルクのナイフが目の前に迫るが
それを間一髪のところで防いだのは
停戦を受け入れたエイナルだった。
エイナルは倒れこみながらも
ストルクのマントの端を掴むことで
その凶行を防いでいた。
弩を構えたヒルドが
ストルクを撃つぞ!と声を上げ
トルフィンはそれを止めようとするが
ストルクのナイフは
エイナルの首を突き刺していた。
エイナルの首からは血が噴き出し
トルフィンはそれを見て呆然とする中
ヒルドはストルクを止めるため矢を放つ。
しかしストルクの動きを止めるには足らず
ストルクはガーハホチに襲い掛かるが
体勢を整え終えていたガーハホチによって
その首を斬り飛ばされていた。
ストルクが討たれたことで
男達は再び弓を構えるが
ヴァルガルはよく考えろ!と吠える。
あのウーヌゥに弓を放てば
停戦は無くなる。
お前ら!それをよく考えろ。
エイナルさんが体を張った
その意味を考えろ。
まだ戦争を続けてェ奴は弓を放て。
みんなそれぞれよく考えて決めろと。
その言葉に男達の動きが止まる中
トルフィンは倒れたエイナルに駆け寄り
大丈夫だ!と懸命に励ます。
首の皮が切れただけだ
この程度の傷で死ぬもんか!と。
そんなトルフィンの腕に抱かれながら
エイナルはトルフィンに語り掛ける。
トルフィン オレは人を殺してしまった。
アルネイズさんにどんな顔して・・・
会えば・・・と。
エイナルの頭を抱え
悲嘆にくれるトルフィンだが
ノルド人ウーヌゥ人どちらの陣営からも
弓が放たれる事はなく・・・。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
前回の最後にエイナルが出て来た時は
その変わりようからどうなるかと思ってましたが
正直あんな結末になるとは・・・。
あのまま戦っても結局のところ
全滅は避けられないでしょうし
エイナルが停戦に賛同した時は
流石エイナルだ!と思いました。
アルネイズ村を巡っては
意見を違えた二人でしたが
それも元通りにそれ以上になるんだろうなと。
そんなエイナルがストルクを止めるために
その命を終えることになるとは
本当に思うようにいかないものです。
ストルクに対してはなにしとんじゃ!と
怒鳴りつけたくなる部分もありますが
彼としても兄弟に近しい仲間の仇を討つために
動いたわけですからね・・・。
それも結局はイーヴァルが禁止されていた
剣などを持ち込んだせいじゃないかとも
思わないわけではありませんが
ガーハホチを目前にして
その恨みを晴らそうとするのは理解できますし・・・。
なので正直言ってしまえば
ストルクがガーハホチに襲い掛かって
返り討ちになったこと自体は
そうなるのは仕方ないかなと。
ただその前にエイナルにナイフを突き立てたことは
あの状況のストルクには仕方ないとしても
許せないというか納得できないものがあります。
でも同時にエイナルとしては
自分が手をかけたウーヌゥ人を
ずっと背負わなくちゃいけない
これからの人生から解放されたのかなと。
もちろんトルフィンと同じように
これからも苦しみながらでも
エイナルには生きていて欲しかったですが・・・。
ともあれなんとも言えない
結末に終わったとはいえ
これで戦いが終わったのは間違いないので
これからのトルフィンの動向が気になるところ。
恐らくヴィンランドからは
撤退するしかないと思いますが
トルフィンがこれで諦めるとは思えませんし
エイナルの事もあって一旦止まるにしても
再び新天地を求めることになるのかなと。
開拓団の面々もまだいますし
彼らのためにも新天地探しは
続ける必要があると思いますしね。
ただ一つ気がかりがあるとすれば
このヴィンランドも平穏ではないこと。
ガーハホチがすんなりトルフィン達を
行かせるのかもそうですが
他のウーヌゥ達を支配するために
動く可能性もあるんじゃないかなと。
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