鉤月のオルタ 5話のネタバレ&感想になります。
第5話 王の器
内容ネタバレ
第9代オスマン帝国皇帝セリム1世。
1512年実の父を王座から引きずり降ろし即位すると
その領地を瞬く間に拡大していった。
兄や甥、父をも手にかけ冷酷者(ヤウズ)と呼ばれた皇帝は
1520年マルムーク朝を陥とした3年後に没し
その在位は僅か8年足らずだった。
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1520年9月30日新宮殿。
最も早く帝都に辿り着いたムーサ殿下が第10代皇帝として即位しようとしていた。
ムーサはようやくこの戦火にまみれたおぞましい時代が終わるとして
神の教えに殉じた祖父バャズィド2世こそが優れていたのだと私が証明してやると
意気込んでいた。
未だ死地より皇帝の亡骸を運び込まぬイェニチェリどもなど知った事か、
死体などいくらでも用意すればよいとして
皇帝になってしまえばこちらのものだと
この地の安寧と平和を誓うと集まった皆に宣言するのだった。
臣従の誓いが行われる中、突然開門の声と共に姿を見せたのは
ムーサの弟であるスレイマンだった。
スレイマンは大宰相であるピリー・メフムト・パシャに対し
ムーサが用意した棺の中に在るものは
本当にわが父かと問いかけるとイブラヒムに命じて
棺を一刀のもとに切り捨てさせ
蛆が湧く首を手に再びこれは我らの父か?と問いかけていた。
そして父だと認めたムーサにならばとこの首にその親愛を示されよと告げ
ムーサはふざけやがってと内心毒づきながらも
その首に顔を寄せるが触った瞬間の気持ち悪さからか
その首を払い落とし吐いてしまう。
スレイマンは地に転がった首を前に再びピリーにそれは父かと問いかけ
否定されるとムーサを自らが父と称する者への不敬だとして
その首を刎ねその亡骸は獣に食わせるのだった。
そうした中、セリム1世の亡骸を伴なったイェニチェリが中へ入ってくると
スレイマンはピリーに冷酷者と呼ばれる父に仕えてくれたことに感謝すると共に
大宰相の責務の留任を告げる。
そして父の冥福を祈ると共に
自らが皇帝に就くことを宣言すると共に
兄についていた者達に銃を向けるのだった。
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剣の木を前に立つ男(スレイマン)の夢を見ていたアゼルは
目を覚ますと共に酷い痛みに苛まれていた。
苦しむアゼルに声をかけ水を渡したアイラは
改めて助けてくれたことに対して礼を述べようとするが
アゼルは無理して水を腹に入れたせいか吐き気に襲われ
丁度様子を見に来たクルトに頼み外へ。
吐いたことで落ち着きを取り戻したアゼルにクルトはユトゥマのことについて
馬が一頭盗まれたことから多分生きているだろうと語る。
その上で次は確実に殺しに来るだろうとして
彼の命を奪えなかったアゼルに一瞬でも迷ったなら復讐なんてやめちまえ
俺達は必ず復讐を果たすと仲間に誓ったはずだと告げる。
クルトは腕にアゼルは背中につけた
救えなかったジェイラン、ナーネ、グルシアそしてユトゥマ
四人分の傷に改めて復讐を誓うのだった。
一方、皇帝となったスレイマンはイブラヒムから
マーサに加担した者達や汚職を働いたものたちの処分を終えたことを報告されると共に
鹿が一頭逃れたことを聞かされていた。
スレイマンは鹿狩りはいずれするとしようと話し
祖父や父ですら手にすることが出来なかった
あの赤いリンゴが欲しいとイブラヒムにかつて言ったことを思い出す。
イブラヒムもまたあの日のことは今でも覚えているらしく
あの日の夢物語も今や夢幻ではございません、
全ては皇帝陛下の思うがままにと告げるのだった・・・。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は本誌かコミックスでどうぞ!
感想
今回は前回のラスト、スレイマンが皇帝に就いた時の事を
振り返って描かれた回でしたが
スレイマンがどうこう言うよりムーサがダメすぎる気が・・・。
まあ、タイトルにもあった通りムーサは王の器ではなかったということなんでしょうけど
なんともあっけない幕切れだったなという感じです。
というかあまりにもムーサが小物だったせいで
あんまり感想という感想が思い浮かばないんですが
とりあえずイブラヒムが言っていた鹿というのが
今後どう関係してくるのかちょっと気になります。
これは粛清から逃れた人がいることを指しているのか
それともアゼル達のことを指しているのかどっちなんでしょうね?
話の流れ的には粛清から逃れた人物な気がしますが
あえて鹿という表現を用いたのがちょっと・・・。
まあ、どちらであってもスレイマンにとっては
大したことはないんでしょうけどね、今のところは。
ともあれスレイマンが皇帝になった以上
アゼル達の復讐はより困難になったといっても過言ではないので
今後彼らがどうしていくのか気になるところ。
亡国の王子とはいえ今はスルタン帝国にとって
たかが知れている存在なのは間違いないので
これから敵になれるだけの戦力を集めるのか
それともただただ命を狙うのかはわかりませんが
どちらにしても楽な道ではないでしょうね・・・。
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